少女だったころのあなたへ

自己愛性人格障害の父と筋ジストロフィーの母のもとで育った女の子の話。

自己愛性人格障害を知った日

 

父親がふつうじゃないと気付いた日。

 

母親もふつうじゃなかったと気付いた日。

 

それなら自分もふつうじゃないのかもしれないと思った日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

26歳になってはじめて

 

自己愛性人格障害」というものを知った。

 

 

 

きっかけは勤めている会社にいた

 

めんどくさい女性同僚の話からだった。

 

彼女がいないところで、

 

同僚達が彼女のことを病気だとケラケラ笑っていた。

 

そのとき初めて私は自己愛性人格障害」という

 

名前を聞いてその場で調べて「たしかに~」と

 

一緒になって私もみんなと笑った。

 

 

その日ひとりの帰り道にまたスマホで調べながら

 

改めて書かれている症状と彼女を

 

重ねながら「本当だなー」と思いながら読んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

でもそのときはまだ

 

人格障害」なんて、

 

 

世の中の人間を

 

「大多数」と「少数」に分けて

 

その「少数派」のことを病気呼ばわりしているだけじゃないか

 

と感じただけだった。

 

 

病気か病気じゃないかの線引きなんて曖昧なもので

 

 

 

だれでもここに書いてある“症状の要素”に

 

当てはまることがあるような気がするし

 

つまり人格障害なんて

 

なにか「病気」というよりは

 

少数派のことをそう呼んでいるだけのような気がしていた。