変わり者の父-3
小学校中学年の頃、自分の部屋をもらった。
それまではリビングに勉強机を置いていて
自分の部屋はなかった。
念願の勉強机だった。
でも自分の部屋の中に父のクローゼットがあった。
だから毎日いつでも父が勝手に出入りをする。
何故そこにクローゼットがあるかと言えば
我が家にそこしかないからだった。
不満を言ったことがある。
「クローゼットをどこか他へやってよ。」
「散らかっているスーツを片づけてよ。」
「ドアを開けっ放しにしないでよ。」
そうしたら、
「この家は誰の家だと思っているんだ!」
「誰のお蔭で飯を食ってると思っているんだ!」
「嫌ならいつでも出ていけ!」
と怒鳴られた。
このとき私は10歳くらいだったと思う。
この家は誰の家だと思っているんだ
誰のお陰で飯を食ってると思っているんだ
→たしかになと納得した
主は父で、逆らってはいけないと学んだ
嫌ならいつでも出ていけ
→出て生きたいよ
こんな父親、私選びたくなかったよ
この頃から私は自殺願望があった
早く死にたいと思って毎日小学校へ通っていた
ときに遺書を泣きながら書いたり、
飛び降りたら死ねるかと考えながら
窓の外を眺めていた
このときの私の父の発言
「だれのお陰で飯・・」云々
私が反論したときも、誰のおかげで学校いけてると思ってるんだ。学校やめさせることなんか今電話すれば、すぐにできると言われるので、もう無理です。
同じ発言を受けている大学生の女の子がいた。
私の父と全く同じだ。
されているのを見て
26歳の私、涙が止まらなくなった。
私は今日まで苦しんで生きてきたけど
苦しいと感じていてよかったんだ。
思春期を越え、大人になっても
父を好きになれることはなかった。
父を嫌いだと話すと、周囲から
「幼稚だ」
「親不孝だ」
「めぐまれた生活をしているのに我儘だ」
と罵られてきた。
親である父を愛せない私は異常なのか
と今日まで自分を責めてきた。
この日常が苦しい
父を憎んでいる
愚かな自分にまた苦しんでいた。
私は今日大きく救われた。
父を愛せない自分を正当化したら
ネットの世界では
匿名の誰かに叩かれるのかもしれないけれど
それでもいい。
私の心は救われた。